ホッカーセンターで、ここしばらくの間によく見掛けるようになった種類の店がある。それがフライドライスの店だ。
それまでは、お昼にさっくりとフライドライスでも食べたいなーと思っても、ホッカーセンターで出している店はあまりなかった。それがあれよあれよという間に、そこここのホッカーセンターで専門店を見掛けるようになったのだからずいぶんな変化だ。
店名が違っていても店のスタイルは極めてよく似ている。台北に本店があり、小籠包で有名な鼎泰豊で出しているフライドライスに酷似しているのだ。鼎泰豊はシンガポールにも支店が何店舗もある。
ベーシックな卵入りフライドライスに、エビやらポークチョップと呼ばれる厚切りの豚肉など、好みのものをトッピングすれば鼎泰豊風フライドライスの出来上がりだ。
食べてみると、ぱらりと炒めた米に程よい塩加減、卵の具合も良く実に美味しい。家でフライドライスを作るとどうしても油の量を加減してヘルシー寄りに作ろうとしてしまうが、店のものはそのような配慮とは無縁で、べとつくギリギリ手前の量の油を思い切りよく使っていればこその味がする。
大抵の店は注文が入るごとに小さめの中華鍋で都度炒めて作っているので、出てくるまでに時間がかかることが多いが、丁寧に美味しいものを作ってくれるのであれば待つ価値もあるというものだ。
何故このような店が急に増えたのかは定かでないが、もしかするとコロナ禍で職を失った鼎泰豊のシェフたちがこぞって開業したのだろうか?などと半ば本気で考えたりする。
いずれにせよ手頃な値段で食べられる美味しいものの選択肢が増えたことは、有り難いことだ。
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